色欲におぼれる者は我が燗穢を見て警護すべき
昔の人々の言葉には、本当に意味深く
またなんとも巧妙な表現をつかい
こころ揺さぶられるものが少なくない。
昨日の知人の話をみた友人が
メールである過去のひとの歌を紹介してくれた。
橘嘉智子(たちばなのかちこ)=壇林皇后(だんりんこうごう)
の詠んだ歌で
はかなしや朝夕なでし黒髪も
蓬がもとの塵とこそなれ
朝に夕に整えなでる黒く美しい髪もあっけなくあの世にいってしまえば
ただの塵(ちり)となってしまうものである。
なんと憂いに満ちた歌なんでしょう、、、
そして、この歌に感じる様々な思いは
長く人生を生きてこそ
味わうことができる
ものである気がいたします。
春菊のただ苦く青臭い葉っぱが
いつしか、堪らない旨さを知り得るように
若き故、思慮浅く
ただ口煩いだけにしか思えなかった
両親や家族や恋人の
厳しい言葉が
いつしか、愛情に裏付けられた
ありがたいアドバイスであったことに
気づかされること
それぞれの時代の様は理解できずとも
そこには、
人間と愛情によって表される
言葉があること
それを知り、自分の生きる
糧にすることこそ
生きる意味のひとつであるように
思います。